組織概要
静岡県信連の組織概要
当会の詳細は、ディスクロージャー誌でご覧いただけます。ディスクロージャー誌はこちら
名称 | 静岡県信用農業協同組合連合会 |
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設立年月 | 昭和23年8月 |
代表理事理事長 | 吉田 正吾 |
出資金 | 1,613億円 |
自己資本比率 | 16.11%(令和6年3月末現在) |
会員数 | 正会員:23会員 准会員:20会員 |
従業員数 | 267名(令和6年3月末現在) |
本店所在地 | 静岡県静岡市駿河区曲金3丁目8番1号 |
店舗 | 本店・富士営業部・浜松営業部 店舗検索はこちら |
メッセージ
経営管理委員会会長 梶 毅
代表理事理事長 吉田 正吾
皆さまには、日頃より静岡県信連をお引き立ていただきまして厚くお礼申し上げます。 当会は昭和23年の設立以来、農家組合員・地域の皆さまの繁栄及び地域社会の発展に貢献することを使命に事業を展開させていただいております。これもひとえに皆さまのご愛顧、ご支援の賜物と心より感謝申し上げます。 さて、ご高承のとおり、令和5年度の日本経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行による社会経済活動の正常化や、輸出型企業における円安効果を背景に堅調に推移しました。一方、世界的な物価高騰や円安水準が国内物価を押し上げており、家計の負担増加が消費者心理の重しとなりました。世界経済においては、米国経済を中心に底堅く推移する中、食品やエネルギー価格等の高騰によるインフレ率の高止まりを背景に、各国の中央銀行は金融引締めを継続しました。今後は、急速な金融引締めに伴う影響や、ウクライナ・中東情勢等の地政学リスクによる物価・為替の動向等にマイナス材料も多く予断を許さない状況となっております。 金融を巡る情勢は、世界的な株高・円安・国内企業の好決算を背景として、日経平均株価がバブル期につけた史上最高値を34年振りに更新、4万円台まで上昇しました。また、令和6年3月の日銀金融政策決定会合では物価見通し等を踏まえ、マイナス金利政策の解除、長短金利操作の撤廃、上場投資信託(ETF)の新規買い入れ停止などが決定されました。 農業・JAを巡る情勢は、生産者の減少・高齢化など農業基盤・生産構造の変化に加え、昨今のウクライナ情勢や輸入食料・資材価格の高騰など食料安全保障上のリスクが高まっております。こうした中、適正な価格形成の促進や食料・農林水産業の生産性向上と持続性を実現するために「食料・農業・農村基本法」の改正に向けた議論が進められております。 こうした情勢下、当会は静岡県信連グループ2か年計画『Value Creation(バリュークリエーション)~信連ならではの価値深化・創造~』の初年度として、「持続可能な農業・地域の成長・発展に貢献する」ことを存在意義とし、農業・地域になくてはならない存在となるべく、ビジョン“Agrigional Coordinator(アグリージョナルコーディネーター)”の実現に向け、持続的な成長と当会ならではの価値深化・創造に取り組んでまいりました。 令和6年度につきましては、静岡県信連グループ2か年計画の最終年度であり、ビジョン“Agrigional Coordinator”の実現に向け、静岡県信連グループとしての価値を深化・創造させるべく邁進していく所存でございます。 今後におきましても、引き続き格別のご支援・ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。経営方針
当会は、“農協金融を協同の精神で支援する県単位の連合組織金融機関”であるとともに、“地域社会と地域経済に密着した金融機関”として会員・お客さまの期待と信頼にこたえることを使命とします。
静岡県信連の理念
- 連合組織金融機関として調和を大切に効率的な組織機能を発揮します。
- 創造性ある金融サービスをとおして地域社会と夢のあるつながりを目指します。
- 社会的責任を自覚した健全経営を行います。
行動規範
連合組織金融機関
- 系統金融機関として資金の運用と信用秩序の維持機能の役割を担い、自己責任に基づいた健全経営を確立し、会員への安定的利益還元と機能提供を図ります。
地域金融機関
- 金融サービス、情報の提供をとおしてお客様の豊かな暮らしに貢献します。
- 地域のパートナーとして農業の発展と地域経済に貢献します。
- 緑を大切に生活環境に根ざした文化活動に貢献します。
組織・職場の活性
- 職員の個性を大切にし金融のスペシャリストを目指し幅広い視野に立って能力の開発と人材の育成を実践します。
- 系統金融組織と職場の合理性・効率性を常に追求し、自由闊達な職場風土を作ります。
役職員行動指針
- 信頼に対し実意(誠意・熱意・好意)を持って行動します。
- 社会的公共性を踏まえその責務を果たします。
- 創造性と協調性を持って目標に向かい邁進します。
- 主体性ある行動により改革と飛躍を目指します。
- 豊かな人間性とやりがいを創出し幸福を追求します。
静岡県信連ロゴマークに込められた意味
デザイン
上方に向かって伸びる直線は『調和・地域・協同・創造・健全』を意味し、それら5 つが団結して、JA・信連一体となって上昇することを意味しています。また、常に安定した社会を創造し、未来に前進することも表現しています。カラー
- 赤常に前進しようとする情熱とエネルギー
- 白何ものにも染まらぬ潔白
- 黒確固たる信念、強い意志、団結、安定
静岡県信連のサステナビリティ
静岡県信連グループは、食農分野において存在感を発揮し、農業・地域になくてはならない存在となるべく、“ Vision(目指す姿)”「Agrigional Coordinator(アグリージョナル・コーディネーター)~食と農を未来へ ヒトと地域をつなぐ信連へ~」 を設定し、実践しております。“ Vision ”を実現させることで、「持続可能な農業・地域の成長・発展への貢献」に繋がり、当会の存在意義を発揮することが出来ると考えます。 “ Vision ”を実現するためには、「中期経営計画」の実践を通じて、「食農領域への貢献や会員JA への機能還元・利益還元」により当会の価値を深化・創造させ、持続可能な農業・地域の成長・発展に貢献することが、当会の 『サステナブル経営』 であり、この考え方を根本思想と位置付けております。 中期経営計画の実践に向けては、基盤(Base)となる人財・組織基盤等の“ 事業を支える経営基盤を充実・強化 ”させ、使命(Mission)としてJA 系統の最大の強みである“ 食農領域における取組みの加速 ”、会員JA に対する“ 機能還元の更なる充実 “、投融資による安定収益確保を通じた“ 持続可能な利益還元 ”を果たすべく、あらゆる手段を講じてまいります。静岡県信連グループ中期経営計画
静岡県下JAグループ全体の中期経営計画としてJA静岡2か年計画があり、その中の信用事業について『静岡県信連グループ2か年計画』があると同時に、JAバンク基本方針に定める全国の総合的戦略である「JAバンク中期戦略」を考慮した『JAバンク静岡2か年計画』があります。 当会は理念やVision(目指す姿)のもと、2023年度~2024年度の2か年を実践期間とする2か年計画を策定、計画達成に向けた取組みを展開しております。組織図
中期経営計画の関連性
SDGsとの関わり
静岡県信連グループは、国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」の趣旨に賛同し、「創造性ある金融サービスを通して地域社会に貢献する」という経営理念のもとに、“Agrigional Coordinator”として、ヒトと地域、食農分野をつなぎ、地域社会と農業の持続的発展に貢献します。※重要課題はマテリアリティを指します
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重要課題01
持続可能な農業・地域社会の実現
主な対応内容
- 多様な枠組みを通じた農業・地域への資金循環
- 農業者・食農関連企業のサポート徹底による一層の関係構築
- 食農ビジネス・マッチングの充実化、成約効果の把握
- ソリューション提供による課題解決・ニーズ対応
- 農業資金の競争力強化に向けた対応支援
- 担い手経営の安定・所得向上に向けたコンサルティング機能の強化支援
- 社会課題の解決に向けた地域との協同活動の実践・深化
取組指標
- 食農ビジネスマッチング成約件数
- 農業融資新規実行額
- 担い手コンサル実施件数
- 食農関連企業金融取引
- 地域の民俗芸能保存・伝承活動への支援
- 地域農業・社会の発展に貢献することを目的とした金融支援事業、担い手育成・食農教育応援事業
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重要課題02
環境負荷の低減
主な対応内容
- 社会環境問題に配慮したサステナブル・ファイナンスへの取組み
- GHG排出量削減を目的とした電力使用量削減等
- ペーパレス化の推進
- 気候変動・社会課題等を踏まえた管理・態勢の構築
取組指標
- サステナブル・ファイナンス
- 温室効果ガス排出量削減額
- 地域に根ざした環境保全活動への参加
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重要課題03
サステナブルな職場環境構築
主な対応内容
- 多様化する価値観、働き方(場所・時間・環境等)への対応
- 働きがいの充実や健康経営にかかる取組み
取組指標
- 女性管理職比率の向上
- 管理職の時間外労働の削減
- 非管理職の時間外労働の削減
TCFD提言への取り組み(気候変動に対する対応)
気候変動に代表される環境課題は、当会において重要な経営課題であると同時に持続的な企業価値の向上に繋がる機会であると認識し、環境負荷軽減や農業・地域の環境保全・貢献活動に取り組むほか、サステナブル・ファイナンスの実践を通じて、脱炭素社会の実現に向けた環境課題の解決に資する投融資に取り組んでおります。 その一環として、気候変動が当会の事業に与える影響、リスクに対して適切に対応し、TCFD※の提言を踏まえた開示内容の充実を図っていくとともに、農業・地域の円滑な脱炭素社会への移行に向けて取り組んでいきます。 【PDF版】TCFD提言への取り組み(気候変動に対する対応)※Task Force on Climate related Financial Disclosures(気候関連財務情報開示タスクフォース) ・主要国の中央銀行や金融監督当局などが参加する金融安定理事会(FSB)により設立されたタスクフォース ・投資家への適切な情報提供を目的に、気候関連財務情報の開示を企業に促している
1.ガバナンス
- 当会は、食農分野において存在感を発揮し、農業・地域になくてはならない存在となるべく、Vision(目指す姿)「Agrigional Coordinator(アグリージョナル・コーディネーター)~食と農を未来へ ヒトと地域をつなぐ信連へ~」を設定し、実現に向けて取り組んでいます。
- Visionを実現するためには、「2か年計画」の実践を通じて、「食農領域への貢献や会員JAへの機能還元・利益還元」により信連の価値を深化・創造させ、持続可能な農業・地域の成長・発展に貢献することが、当会の 『サスサステナブル経営』 であると認識しています。
- この考え方を根本思想と位置付けて実践するほか、気候変動を含む環境・社会課題を経営上の重要事項として捉え経営戦略・リスク管理に随時反映させるために「サステナビリティ基本方針」を制定しました。
- 気候変動を含む環境・社会課題に対する具体的な対応方針や取組状況は経営企画会議にて協議し、協議内容は、少なくとも年1回の頻度で理事会・経営管理委員会に付議・報告することにより、理事会及び経営管理委員会は、GHG排出削減の状況等、報告された内容に対し適切に監督する態勢を構築しています。
- 経営企画会議は、理事長を議長とし、理事長、理事、部長・室長から構成されています。
2.戦略
- 当会では、短期(5年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で、2℃(政策・規制が導入され気候変動が抑制される場合)・4℃(政策・規制が導入されず気候変動が抑制されない場合)シナリオをもとに気候変動に関連するリスクと機会を以下の通り認識しています。
- 移行リスク
- 気候変動の緩和と適応への取組進展に伴う政策、法規制、技術、市場などの変化の影響を受ける投融資先の信用リスクや座礁資産化リスク
- 物理的リスク
- 気候変動に伴う自然災害や異常気象による当会および投融資先の資産に対する物理的な被害を通じて財務棄損が増大するリスク
- 気候変動による当会への財務影響は、お客さまのリスクと機会が、貸出を通じて当会の機会とリスクにかかわるものと認識しています。そこで、お客さま⾃⾝に気候変動によるリスクと機会を理解いただき、お客さまに機会を拡⼤し、リスクを縮⼩いただけるよう対応することが地域経済の持続可能性を確保するためには重要と考えています。
炭素関連資産の状況(令和6年3月末)
当会貸出金残高に占める炭素関連資産の割合5.6%
※GICS(世界産業分類基準)における「エネルギー」等が対象。ただし、水道、独立発電事業者、再エネ事業者は除く。
- 当会では「サステナブル・ファイナンス⽅針」を定め、⼤量の温室効果ガス(GHG)の排出や、有害物質の放出等によって、気候変動や⼤気汚染等の環境に重⼤な影響を及ぼすことが想定される⽯炭⽕⼒発電事業等に対して、石炭火力発電所の新設を資金使途とする投融資は原則行わないこととしております。
3.リスク管理
- 当会では、気候変動に関連する物理的リスクや移行リスクが中長期にわたり、当会及び当会のお客さまの事業活動に影響を与えることを認識しております。
- 環境・社会等に影響を与える可能性のある特定の事業およびセクターへの投融資に関する取組方針として「サステナブル・ファイナンス方針」を制定し、気候変動に影響を与えるセクター(石炭火力発電等)に対するクレジットポリシーを定めております。
4.指標と目標
サステナブル・ファイナンス
- 2030年度までにサステナブル・ファイナンスを2021年度からの累計で1,000億円実行する目標を設定しています。サステナブル・ファイナンスとは、持続可能な農業・地域社会の実現に向けたお取引先さまのESG(環境・社会・ガバナンス)、SDGs(持続可能な開発目標)等への取組みを支援する資金供給のことを指し、2024年9月末までに448億円を実行しています。 (うち気候変動対応に資する投融資は380億円です。)
サステナブル・ファイナンス新規累計1,000億円
※持続可能な農業・社会の実現に向けたお取引様のESG(環境・社会・ガバナンス)、SDGs、(持続可能な開発目標)への取り組みを支援する資金供給
温室効果ガス排出量(GHG)削減
- 温室効果ガス(GHG)排出量について、当会ではCO2排出量(Scope1およびScope2)を指標として設定し、農業・地域社会の脱炭素社会の実現に向けた取組みとして、2030年度における温室効果ガス排出量(GHG)削減目標を「2013年度比50%の削減」と定めて環境負荷の低減に努めます。2023年度の温室効果ガス排出量は、846トン(2013年度比 ▲29%)となりました。
※GHG:GHGとは温室効果ガス、Greenhouse Gasの略称。二酸化炭素(CO₂)、メタン(CH₄)、一酸化二窒素(N₂O)等が該当
※Scope1:ガソリンやガスの使用に伴う排出(燃料使用量に対し、所定の排出係数を乗じて算出)
※Scope2:電力の使用に伴う排出(電力使用量に対し、所定の排出係数を乗じて算出)
2030年度 温室効果ガス排出量(GHG)削減(2013年度対比)50%削減
※排出量は、環境省の算定方法を基に電気・ガソリン等から算出した概算値